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「滅相もございません」の意味と使い方・敬語・類語|ビジネス

Author nopic icontakezou
カテゴリ:言葉の意味

初回公開日:2018年05月09日

更新日:2020年02月15日

記載されている内容は2018年05月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

「滅相もございません」の意味と使い方・敬語・類語|ビジネス

「滅相もございません」の意味と使い方

ビジネス用語の一つに「滅相もございません」という言葉がありますが、これは色々と思い返してみると言葉として不思議な感じがしてしまいます。そもそも「滅相」とはいったいなんなのか、なんとなくは使っているものの具体的な意味はわからず曖昧な状態で使っている人も非常に多い言葉です。

そこで、まずはこの「滅相もございません」の意味と使い方について最初に調べていきます。この部分だけでも理解できれば疑問点の8割は解決できるでしょう。

「滅相」の意味について

そもそも、この「滅相」とは仏教用語の一つで物事や命の変化を4つに分けて考える四相という考え方からきていて、消滅することを意味しています。他にも生まれることを意味する「生相」、存在することを意味する「住相」、変化することを意味する「異相」があります。そこから転じて、「あるはずのないさま」と変化して「とんでもないさま」を表す言葉となります。

「滅相もございません」の意味について

「滅相なことを言うものではない」という使い方をしますが、これは「そんなとんでもないことを言ってはいけない」という意味です。つまり、「滅相もない」という言葉も「とんでもないこと」という意味になり、拒絶的な言葉となります。

しかし、拒絶的な言葉と言っても「嫌だ」ときっぱり否定する言葉とは違い相手に褒められたときにへりくだって否定する言葉となります。「滅相もない」という言葉だけでもへりくだって使う言葉なのですが、それが敬語表現の「滅相もございません」となるとよりへりくだって否定する言葉となります。

「滅相もございません」の使い方について

この言葉の使い方は褒められたときにその言葉を否定するときに用いるものなので、タイミングとしては非常にわかりやすいです。「いつも奥さんは綺麗ですね」みたいな言葉を言われた後に「滅相もございません、貴方こそ本当に綺麗です」といった使い方をします。

このような言葉の応酬を見るとマダムと言えそうな人たちが会話をしている様子が目に浮かびます。いわゆる「とんでもないことです」という言葉をより丁寧にしたイメージが強いので非常に丁寧な言葉として使うことができます。

「滅相もございません」のビジネスでの使い方

それでは具体的にビジネスのワンシーンでこの「滅相もございません」を使ったらどうなるのかを解説しましょう。このようにへりくだる言葉なので、多くのビジネスシーンで対応できます。

メールなどの文章では使うタイミングが限定される

「滅相もございません」の意味と使い方・敬語・類語|ビジネス
※画像はイメージです
出典: Jimdo - Pages to the People

この「滅相もございません」という言葉は慣れていない人だとなかなか言葉として発することができません。実際に上司に褒められたとしてもとっさに反応した場合は「そんなことないです」とか「自分なんてまだまだです」といった使い勝手の良い言葉が先に出てしまいます。

しかし、メールといった文章に「滅相もございません」はほとんど使わないでしょう。この言葉は褒められたときに「自分はそこまでの存在ではない」ということをアピールするために使う言葉なので、文章で用いる方が実は難易度は高いです。

具体的にはメールの文章内に「いつも○○さんにはお世話になっていますので」といった言葉が入っていた場合、返事を書くついでに冒頭や文章の最後の方に「お世話になっていますので」の言葉を返すために「滅相もございません」と記載することになるでしょう。

メールでの使い方の具体例

ビジネスメールでは挨拶→内容→「よろしくお願いします」といった結びの文章という形が基本で、この挨拶の中に「いつもお世話になっております」という言葉が入っていてもこれはもはや常套句のようなものなので、返信をする場合もほとんど定型化しています。

つまり、定型文になっているような言葉の場合「滅相もございません」という切り返しは使えないということです。その時点で自分が褒められたときに返す言葉である「滅相もございません」はかなり封じられることになります。

ある程度仕事柄親しい仲になっている人が結びの文章の中に「いつも○○さんの仕事ぶりにはお世話になっています、今後ともよろしくお願いします」といったこちらを褒めている言葉を見つけたら、返信するときにその言葉をピックアップして「滅相もございません、こちらこそよろしくお願いいたします」と記載すると良いでしょう。

会話中の切り返しで使うのが基本

文章の場合は定型文で切り返すのが常套手段になっているのでなかなか「滅相もございません」と切り返すことができませんが、会話中ならばその会話に対する反応として示すことは可能です。

会話中に「いつも○○さんの対応には感謝しかない」と取引先の人から言われた場合に「滅相もございません」と応答することができます。こちらを褒めるようなニュアンスがあった場合は返し言葉として用意しておけば問題なく使えるということです。

謙虚な否定の言葉なので、カドが立つことはほとんどなくやんわりと否定しているイメージを相手に与えることができ、とっさに使える人は好印象を与えやすくなります。

「滅相もございません」の敬語

「滅相もございません」は「滅相もない」という言葉をより丁寧にしているので、これ以上の敬語表現はありません。似たような敬語表現としては「とんでもないことであります」とか「滅相もないことであります」がありますが、「滅相もございません」よりも上の敬語はほとんど存在しないと考えましょう。

「滅相もございません」の類語

「滅相もございません」の類語は「そのようなことはありません」や「とんでもないことでございます」や「滅相もないことです」や「滅相もないことでございます」となります。

「とんでもない」の類語

「滅相もない」という言葉は「とんでもない」の類語です。この「とんでもない」は相手の伝えたことを否定する時に使う言葉ではありますが、それ以外にも「常識では考えられない事柄」や相手を非難する気持ちを込めて否定する言葉にもなってしまいます。

もともと「とんでもない」ことを表す言葉の一つとして「滅相もない」という表現をされていたので、とんでもないさまを表す言葉にもなります。最初に説明したように「滅相なことを言うものではない」といった表現の場合は「大事になりそうなことを言ってはいけない」という意味になります。

褒められたときの返し言葉

褒められた時に使う言葉であるということを考えた場合、「お気遣いありがとうございます」とか「恐れ入ります」といった言葉も類語として使うことができるでしょう。褒められた場合の返し方に慣れていない人には結構な難関になりますので、覚えておくとかなり役立ちます。

類語ではありませんが、「おかげさまです」とか「○○さんのやり方を見ていましたから」といった返しも覚えておきましょう。そこで「そんなことはありません」といった否定のみで返してしまうと褒めた相手に対して失礼になってしまうので注意してください。

「滅相もございません」のよくある間違い・誤用

この「滅相もございません」は辞書で調べてみると誤用してしまうような解説をしていることがありますので、それらの注意点をまとめます。

「とんでもない」の類語だが

類語の項目で説明したように、この「滅相もない」は「とんでもない」の類語であり大変な事柄や思いがけない事柄を表すときにも本来ならば使える言葉です。しかし、こちらの意味で使われることは現代日本では少なくなってきたので、「滅相もないことを言うな」という表現をしても正しく伝わらない方が多くなっています。

今のビジネスマンが使うように褒められたときにへりくだって否定する「滅相もございません」という方言しか見たことがない人たちにとって「滅相もないことを言うな」という表現は意味不明にうつります。

そのため、間違った表現や誤用に見えてしまうということです。意味的にも間違いではないのですが、通じにくくなっているので思いがけない事柄という意味では使わない方が安全と言えます。

そもそも「滅相もございません」が間違っているのか

「滅相もございません」は褒められたときにへりくだって否定する場面で使うだけなので、間違った使い方はほとんど存在しません。しかし、「とんでもございません」や「滅相もございません」や「滅相もありません」という言葉そのものが間違っているという指摘もあります。

というのも、「滅相もない」や「とんでもない」は一つの形容詞であり語尾を勝手に変更することはおかしいことであるという考え方があり、「滅相もございません」としたい場合は「滅相もないことでございます」とか「滅相もないことです」といった使い方をするべきと説明されています。

もちろん、「とんでもございません」も間違った使い方であり、「とんでもないことです」や「とんでもないことでないことでございます」といった使い方をするように指摘する人も多くいます。

滅相もございませんととんでもございませんの違い

「滅相もございません」と「とんでもございません」には明確な違いはあるのでしょうか。これまでの説明では類語だとはわかっても違いについてはまだ見えてきません。

違いはほとんどない

もともと、「滅相もない」という言葉を意味で調べると「とんでもない」と出てくるようにこの二つは類語で意味も非常に似通っていることがわかります。そのため、「相手の言ったことをへりくだって否定する」というシーンではどちらも使うことができます。

文法上は多少異なる

違いを見出すとすれば「滅相もない」という言葉は「滅相なことを言うな」といった使い方をすることができますが、「とんでもない」は文法上バラバラにすることができないという違いがあります。

ニュアンスも少しだけ違う

ニュアンス的な違いになりますが、「滅相もございません」の方が謙虚に見せる意味合いが大きくなりますので、相手の方が目上や格上の方の場合にはこちらの方が印象が良くなるでしょう。

「滅相もございません」はかなり浸透しているが

「滅相もございません」や「とんでもございません」はビジネスマンの多くの方が使っている言葉なので、間違いであると指摘する人たちはかなりいますが浸透しつつあるというのが実状です。日本語は間違った意味だったとしても、そちらの意味の方が通じるようになると塗り替えられてしまいますので、この「滅相もございません」も問題なく使えるようになるでしょう。

ただし、間違った言葉であると指摘する方々が一定の割合で今もいるというのは事実なので、「滅相もございません」と言いたい場面でも「滅相もないことです」と言い換えた方が安全でしょう。間違った言葉であると指摘したい方々が誰なのかを見抜くことはできないので、指摘されない状態を作った方がまだ安全です。