他にも、職場での咳払いには合図としての咳払いもあります。静まり返ったオフィスの中で声を出すのをはばかられるとき、また他の人に会話を聞かれたくない時に「ちょっとこっちをに注目してほしい」「このタイミングで発言してほしい」という意味で咳払いを使うことがあります。咳払いで注目された後はアイコンタクトなどで意思を伝えますが結局伝わらないことがほとんどです。
このような咳払いは無言のコミュニケーションとしての咳払いとなりますが、結局は会話した方が伝わりやすいので無駄な行動とも言えます。
咳払いの心理に男女差はある?
男性が咳払いをする心理
人前で咳払いをする人は、女性よりも男性の方が多く見られます。これは男性が女性よりもうまく言葉で表現できないという理由からです。男性の方が頭が悪いとか劣っているという話ではありません。頭の良い男性もコミュニケーションが得意な男性もたくさん存在しています。男性と女性では脳の働きに違いがあるということです。
ゴチャゴチャと余計なことは考えないさっぱりした男性の考え方と、ひとつの言葉にでも複雑に思いを巡らせる女性の違いや、余計なおしゃべりはしない男性とおしゃべりが大好きな女性の違いなどです。
このことから男性はどちらかといえば女性よりも言葉での表現が苦手であり、大抵の会話は「あ~」や「あれ」「うん」「ちがう」「わかった」などの一言で終わらせたりします。女性の場合は一つのことを伝えるのにもたくさん言葉を使いますが、男性の場合は簡単な一言で済ませてしまいます。注意したいことがあれば全て咳払いで表現することも多く見られます。
咳払いによる意思表示は、やられた相手からすれば気分を害する表現方法です。ですが咳払いをする男性の多くは咳払いに代わる言葉を選ぶことが難しいのです。文句を言いたいけれど、言葉を選ぶ前にとりあえず咳払いが出てしまう、これが咳払いをする男性の心理です。
女性が咳払いをする心理
女性が咳払いする場面を考えてみましょう。日常で女性が咳払いをする場面に出くわすのは、コンビニやスーパーなどでの買い物中や混雑した場所です。自分が見たい場所に誰か立っている時の咳払い、通路が通れない時の咳払いなど、個人に対して「あなたが邪魔ですよ」といった意味での咳払いをする女性が多く見られます。時には「チッ」といった舌打ちをする女性も存在します。
これは不特定多数の人が周りにいる中で、声に出して「邪魔だからどいて」とは言えない女性の心理からくるものです。女性はとにかく世間体を気にしますから、もしも知り合いがそれを見ていて「あの人がコンビニで文句を言っていた」などと噂されるのは嫌なのです。
若くても年齢を重ねても、女性は周りの目が気になり周りからよく見られたいのです。ですから大勢の前で文句を言わずに、気に入らない相手一人だけに分かるような咳払いをわざとするのです。こうして考えてみると女性の咳払いは男性の咳払いより陰湿なものと捉えることができます。
ですが咳払いをされる相手にとっても大勢の前で文句を言われて恥をかくよりは、咳払いひとつで済まされることの方がマシなのかもしれません。面白いことに買い物中に通路を塞ぐのは、やはり女性に多く見られます。結局は女性同士で邪魔になる行動をとったり咳払いをしたりするということです。どちらにしても、買い物に行って周りの人のことを考えずに通路を塞いでしまうのはやめておく事をおすすめします。
咳払いの心理は緊張が原因?
緊張が原因の咳払いは、やはり男性に多く見られます。あまり交流のない人と一緒にシーンとした部屋にいる場合、誰かが話し始めるまでの間ひっきりなしに咳払いをする人がいます。これは緊張を紛らわせるための咳払いとなります。
この時咳払いをする人の内面では、「何か話した方が良いのだけれど話し始めるタイミングが分からない」「そもそも何を話してよいか分からない」といった心理が働いています。慣れない相手に対する緊張と、静かな空間に対する恐怖心から人は咳払いをするのです。
緊張が原因の咳払いはコミュニケーション能力が低い人によく見られます。緊張感は必ず相手に伝わってしまうので、普段からコミュニケーション能力を鍛えることが必要になります。
咳払いに似た鼻すすりと鼻鳴らしの心理
近くで休みなく咳払いをされると周囲の人は不快感を覚えますが、咳払いと同じくらい不快な行動として「鼻すすり」「鼻鳴らし」といった行動があります。鼻すすりといっても風邪気味の時や花粉の時期にする鼻すすりではなく、鼻が詰まったり鼻水がたまっている訳でもないのに「スウッ、スウッ」とやる鼻すすりです。
鼻鳴らしも同様に、鼻は通っているのに意味も無く「クンッ、クンッ」と音を出してしまう行為です。これらも緊張しやすい人に多く見られ、静けさの中でただひたすら不快な音を出し続け周囲の人を嫌な気持ちにさせてしまいます。鼻すすりや鼻鳴らしは、文句を言いたいけれど言えないからやるといった注意喚起の意味を持つものではなく、空間への恐怖からくる心の弱い人がしてしまいがちな行動と言えます。
咳払いが癖になっている人の心理は?
咳払いが癖になっていることの原因としては、コミュニケーション能力の低さと、自分に自信が無いことや心の弱さからくるものがあります。密室で咳払いをしてしまう人、静けさの中で咳払いをしてしまう人、好きな人の前でだけ咳払いをしてしまう人、これらの人は全て咳払いが癖になってしまっています。
密室や静かな空間ではとりあえず咳払いをすれば落ち着くという心理や、好きな人の前で言葉に詰まったりモジモジしてしまう自分を隠すために咳払いをするという行為は結局は「弱い自分をごまかしたい」という心理の表れです。
咳払いは心の弱さが原因?
心の弱さを見せる咳払い
咳払いが癖になっている人は弱さをごまかすつもりが、実は弱さを見せている事になっているのに気付かなければなりません。これに気付かなければ一生周りに不快感を与え続けることになりかねません。咳払いの癖を治すには空間への恐怖や静けさへの恐怖に打ち勝たなければなりません。空間はいつもどこにでも存在しているものですし、静けさは怖いものではないのです。
24時間ひっきりなしに音や話し声が聞こえていたら誰だって疲れてしまいます。静かな時間だってあっても良いのです。その静けさの中で、風邪でもないのに咳払いや鼻すすり、鼻鳴らしの音を出し続けるのはやめましょう。これらの行為は自分を良く見せるどころか、自分の弱さを見せる行為なのです。
咳払いをする心の弱さの原因
ですが咳払いをしてしまう人だって、好きで心が弱いわけでありません。もともと自信家だった人でもある日突然自信を無くしてしまうことがあるのです。長時間労働や試験勉強などの疲れが原因で心が弱ってしまったり、人前で大恥をかくなどの失敗体験や悲しい出来事で心が折れてしまっているのかもしれません。育ってきた環境により自己評価が低くなってしまった人もいるでしょう。また肉体的疲労から精神的疲労につながっているという事もあります。
一度折れてしまった心を修復したり、トラウマを克服するのは簡単な事ではありません。何かのきっかけであっという間に心の元気を取り戻すこともあるかもしれませんが、ほとんどの場合はそうもいかないでしょう。弱ってしまった心の修復には時間が必要なのです。
このようにならないためにも、普段からストレスに負けない力を養っていくことが大切になります。嫌なことばかり思い出しても何の解決にもなりません。失敗したことを反省するのは重要ですが、いつまでもクヨクヨしていてはいけません。過去には戻れません。忘れることも必要なのです。「まあいっか。次があるさ。」といったポジティブシンキングを心がけていきましょう。
咳払いをする人が安心できる環境を
咳払いをする人の心理と、鼻すすりや鼻鳴らしをする人の心理についてまとめてみました。あなたの周りにこのような行動をとる人はいませんか?咳払いをする人の心理は緊張やストレスでいっぱいです。
あなたの周りに咳払いの癖を持つ人がいたら、それを指摘するとますます悪化してしまう可能性があります。もしあなたの大切な人が咳払いをしていたら、原因となる緊張やストレスを取り除いてあげる努力が必要となります。もし本人が咳払いのことで悩んでいるのなら、心理的要因を取り除くために安心できる環境を整えてあげましょう。それが相手と自分が嫌な思いをせずに済む最善の策となります。
初回公開日:2017年08月11日
記載されている内容は2017年08月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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