ノイマンの生い立ち
「ノイマン」こと、ジョン・フォン・ノイマンは「コンピューターの父」と言われます。現代はコンピューターなしでは生活を営むことは不可能と言われていますが、このような高度な文明の立役者としてノイマンがいます。
それでは、ノイマンの生涯をまずご紹介し、その後、ノイマンの性格や名言・格言をご紹介していきましょう。名言・格言の中には、日本人ならちょっと許せないと思えるようなものがあったり、ノイマンの人となりを感じさせる名言・格言がありますので、ぜひ読んでみてください。
神童
1903年12月28日、ハンガリーのブタペストでノイマンは誕生します。あまりの頭の良さに「火星人」「悪魔の頭脳を持つ男」と異名をとったノイマンですが、子供の頃からその能力を開花させています。
子供の頃のノイマンの神童ぶりは有名で、6歳の頃には電話帳を使って電話番号の割り算を暗算で行えました。8歳の時に「微分積分」をマスターし、12歳には「関数論」を読破しています。ちなみに「関数論」は日本の高校生の数学エリートがようやく理解できる程度と言われています。
エジソンなど、天才が子供の頃は劣等生というケースがありますが、ノイマンの場合、子供の頃からその脳みはフル回転していたと言えるでしょう。
しかし弱点も
神童ノイマンでしたが、弱点もありました。家族が熱心にフェンシングを教えたものの、ノイマンは全く上達せず、チェロ、ピアノなど音楽もさっぱりだったと伝えられます。センスがなかったのか、興味を示さなかったのかは謎ですが、音楽の楽譜の裏に数学の本を隠していたこともあったと言われます。
大学3つを掛け持ち
理系全てに、ずば抜けた才能ほ発揮したノイマンでしたが、当時、就職に有利であった分野は選ばず、数学を選択します。しかし、ブタペスト大学、スイス工科大学、ベルリン大学の3つの大学に同時に在学するという前代未聞の勉学量により、数学のみならず化学分野の学位も習得してしまいました。
その後、彼はゲッチンゲン大学に進みます。
神々たちの一員へ
ゲッチンゲン大学は、当時世界の最高峰の大学で「不確定性原理」の生みの親、ヴェルナー・ハイゼンベルクが活躍しており、ハイゼンベルクと並ぶシュレディンガーと理論を戦わせていました。
また、ニールス・ボーア、アルベルト・アインシュタインなど教科書に登場するほどの伝説の科学者たちが活躍した時代でもありました。その中で、ノイマンもまた彼ら神々の一員として名を連ねていくことになります。
アメリカへ
ノイマンは、1933年プリンストン高等研究所に旅立つことになります。そこにはアインシュタインもいました。新世界アメリカへと旅立った理由としては、伝統的なヨーロッパの体制では大学内でノイマンが評価されにくかったことが挙げられます。
また、ユダヤ人であった彼は、ヒトラーが台頭しているドイツで居場所すらなかったことが原因です。このため、ノイマンはアメリカ市民となりました。
コンピューター開発
プリンストン高等研究所がノイマンに与えた仕事は、弾道計算、つまりいかに正確に大砲の球を標的に命中させるかの研究でした。そのためにはコンピューターが必要となります。また、爆発物、暗号解読の分野にも取り組みます。
これらの研究の過程で、世界初の電子型コンピューターが開発されました。最先端だったパンチカード式計算機の1000倍の能力を持つ「ENIAC」に助言を与えることからはじめたノイマンは、やがてコンピューターの元祖ともいうべきノイマン型コンピューターを完成します。
「ゲームの理論」
その後も彼は、「ゲームの理論」という政治、経済界に多大な影響を与える著作を発表するなど活躍をします。このころノイマンはアメリカの頭脳の中枢と言っても過言ではなく、第二次世界大戦終戦後も国防上の最重要アドバイザーとしてアイゼンハワー大統領をサポートしています。
その後、1957年54歳で死去するまで、その頭脳は衰えることがありませんでした。もっと長生きしたらなば人類の歴史が変わっていたと述べる識者も多いです。
後の経済学に絶大な影響を及ぼした本書は、人間行動を数学的に記述することを試みています。著者らは、今まで経済学において数学が適用されてこなかったのは、経済学の問題が定式化されてこなかったことと、経済における経験的事実(すなわちデータのことでしょうか)がきわめて限られていたことにあると説きます。
ノイマンの性格
「博士の異常な愛情」のモデル
ノイマンはスタンリー・キューブリックによる映画「博士の異常な愛情」の登場人物ストレンジラヴ博士のモデルとも言われています。
この映画からノイマン像を想像すると、かなりファナティックで、頭が良すぎるが故に人間的な感情を失ってしまっているのではと想像される方も多いでしょう。しかし、ノイマンにはいろいろな性格の面があります。
初回公開日:2017年12月11日
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