出来損ない人の原因・理由
自分の事を「出来損ない人」と自分を責めたり、自分と関わりがある人をこっそり「出来損ない人」かもと感じてしまったことがあるでしょうか。
出来損ないとは、「自分で作った物が思い通りの仕上がりにならなかったり、欠陥があったりすること」を指すことから「能力やふるまいが普通にできる人より劣っている人のこと」、そして「そのような人を罵る時に使う言葉」という意味があります。
このことから、今回は「出来損ない人」とは
「実際に人より能力が劣っている人」
「人より能力が劣っていると思い込んでいる人」
という意味にしぼってお話していきます。あなたの身近に「出来損ない人」の特徴に当てはまる人がいた場合の対処法や、自分が「出来損ない人」であるという考えから抜け出せない時の気持ちの切り替え方などについて考えていきましょう。
完璧主義者である
自分のことを「出来損ない人」と感じてしまう人の性格の特徴として「完璧主義者」であることが挙げられます。完璧主義とは「自ら高い目標を設定し、その目標の達成のために努力と厳しい自己評価を課す性格」のことで、そういった傾向のある人を「完璧主義者」と言います。
完璧主義の人は、目標に向かって努力し続けている間は、モチベーションも高く、充足感に満たされ続ける日々を送ることができます。しかし、目標に到達してしまったり、目標途中で思わぬアクシデントに遭遇し自分の予想を外れるような出来事に見舞われた場合、気持ちがついていけなくなります。
「目標を達成できなかった」という自己否定感情にとらわれ「自分は出来損ない人だ」という結論に達してしまうのです。
自罰感情が強い・自分を許せない
自分を「出来損ない人」と感じてしまう人は「完璧主義者」の傾向があるとお話ししましたが、その延長で「自分で自分を許せない」傾向が強い性格の人にもその可能性が高いです。
せっかく高い目標を決めたのにゴールまで達成できなかった自分を「ふがいない」「自分が許せない」と強く感じてしまいます。その結果「自分なんかどうせ何をしてもだめだ」「自分はできない奴なんだ、出来損ない人なんだ」というマイナスの考えに辿り着いてしまいます。
たとえ原因が他にあっても、目標そのものを達成できなかった自分を常に責め、自分で自分を罰する感情が強い人に多く見られます。
自己肯定力が低い
完璧主義の人が自分で設定した目標を達成できなかったり、そのような経験を繰り返しているとどんどん「自己肯定力」が低くなっていきます。自己肯定力とは、「自分で自分を認める気持ち」「自分に寛容であること」「自分を許す感情」などを指します。
目標が高いあまり、些細な失敗も許せず、自分で自分を責めることで自分の努力やそれまでの成果を認めることができず、自己肯定力が弱まっていくことにつながります。こうした負の感情の連鎖が「自分は出来損ない人だ」という気持ちを生み出してしまいます。
とにかく自分を責める感情・幼少期の過ごし方
「自分は出来損ない人だ」と感じてしまう人たちにとって、なぜこれほど完璧主義でなければならないのでしょう。なぜこれほど自分で自分を責めてしまうのでしょうか。
このような人たちに共通する点は、「幼少期に、親きょうだいなどの自分に近い存在にある人達から正当な評価を受けていなかった可能性がある」ということが挙げられます。親が子に完璧を求めすぎたり、その結果目標を達成できなかったことを叱責したりを繰り返すと、それを受け続ける子供はどんどん自分に自信が持てなくなります。
「どうして他の人ができることをあなたはできないのか」などという心ない言葉をぶつけられる経験を繰り返すことで、自分に自信を持てなくなっていき、自己評価が下がることで「出来損ない人」という思いに囚われていくのでしょう。
ほんの少しのことを「よくできたね」「すごいね」と褒められることが、自己肯定力を培うことに繋がっていきます。
出来損ない人の改善方法
「自分はできない」と思い込んでいる「出来損ない人」と、できなかったという実績を重ね続けるために「出来損ない人」と呼ばれる人とでは一見大きく違いがあるように見えて、実は「出来損ない」を避けるために気を付けるポイントは共通です。
ほんの少し気の持ちようを変えるだけで、物事をポジティブ捉えることが可能になり、繰り返していた失敗もだんだん回数が減っていきます。ここでは、「出来損ない人」の自分を改善するために取り入れたい習慣についていくつか紹介していきましょう。
自分が出来る事と出来ない事を切り分ける
目標を高く掲げることは大切ですが、自分の実力に見合った程度の目標に留めることはもっと大切です。例えば、大きな目標と小さな目標に切り分けて、小さな目標のためにさらに
「何ができるか」
「どのくらい時間を使えるか」
「周りの協力を得られるか」
などと、目標達成までに予想できる事柄をいくつか掘り下げて考えてみましょう。
現在の自分にできることとできないこととを切り分けていくことで、無理があることや自分に向かないことなどを物事に着手する前に判断することができ、目標達成の確率を高めることが可能になります。
出来る事から始める
小さな目標を切り分けることに成功したら、その小さな目標に優先順位をつけてみましょう。例えば、何か大きな資格を取りたいとして、目標を立てるとします。
「何ができるか」→「資料を取り寄せたり、講師を探してみよう」
「どれくらい時間がとれるか」→「仕事の予定が立たないと難しい」
「周りの協力が得られるか」→「家族に相談してみよう」
ここまで具体的に自分で切り分けることで「家族に相談し、仕事の予定が立ったら、資料を取り寄せよう」などと、優先順位をつけることが可能になり、目標達成までのメドも立てやすくなり自信に繋がっていきます。
他人と比較しない
あなたが立てた目標と似たようなものを他の人も目指している場合が多々あります。例えば、あなたがその目標の達成までに時間がかかったりまごついたりしているうちに、「他の人が目標に先に到達した」、あなたのほうが先に目指したはずが「他の人が途中で追い付いてきてしまった」など、実はよく聞く話です。
大切なのは、あなた自身がその目標を達成することであり、「他人と比べて早く達成することなどとは別の話である」と切り分けて考えることです。
否定的な言葉・表現を使わない
普通の人よりできなかったり、自分の思い通りにならないことで「自分は出来損ない人だ」、「何をやってもだめなんだ」と自分に対して否定的な言葉を繰り返しがちですが、「自分は〇〇だ」と言葉にしてしまうと、その通りだと思い込んでしまいます。
「だめ」「無理」「できない」などと否定的な言葉を繰り返していると、体や気持ちが萎縮してしまい、それまでできていたはずのものまでできなくなってしまうことも少なくないでしょう。
もちろん目標の達成までに自分にできることは全てやることが大前提ですが、「私はできる」「今日まで頑張った」「手ごたえはある」など、ポジティブな表現を多用し自分の中の「出来損ない人」というイメージを払拭しましょう。
初回公開日:2018年02月23日
記載されている内容は2018年02月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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