安心毛布とは?
安心毛布(セキュリティ・ブランケット)とは、眠るときや不安なときにそれを抱きしめたり、匂いを嗅いで安心する、自分だけの精神安定剤のようなものです。断乳や他のストレスを和らげるために安心毛布を持ちはじめる子どもが多いとされています。また、安心毛布がないと不安になり、眠れなくなったりする場合はブランケット症候群とも呼ばれます。
安心毛布は大人にも当てはまる?
安心毛布を持ちはじめるのは断乳期の子どもが多いと上記しました。では大人がそれを持っているのはおかしいものなのでしょうか。
大人の安心毛布
安心毛布は小さな子供だけに当てはまるものではありません。大人だって安心毛布を持っています。何かに執着し、安心感を得ることは特段おかしいことではありません。安心毛布がないと不安で不安でしょうがなくなり、仕事にも集中できないような状態でない限りは、それはただ日常生活から来るストレスを逃がす上手なやり方だと言えます。
また、安心毛布で癒されることでよく眠れる人もいます。嫌なことがあったときだけそれを抱きしめる人もいます。安心毛布に求めるものも、その使い方も千差万別です。何かあったときにも無条件に安心できるものがあるのは、精神的な支えにもなります。
赤ちゃんの安心毛布
安心毛布は元々、1歳前後の子どもが一緒にいて安心感を与えてくれるものとして毛布を選んだことから始まっています。そのため、安心毛布が無いと泣きだしたり眠れなかったり、どこにでも持ち歩こうとします。
赤ちゃんにとっての安心毛布は一時的な母親の代わりになり得るものです。そのため、育児をわずかながら楽にしてくれることもあります。親戚の家に行った際、全く知らない場所で知らない人に囲まれてもそれがあれば落ち着いていられる子もいます。しかし、これはその子どもの性格によります。
学生の安心毛布
学校の入学時に環境ががらりと変わる一時的な不安から、一度は手放していた安心毛布を再度持ちはじめる子も多くいます。しかし、その生活に慣れるにつれて安心毛布に頼る回数は減っていき、安心毛布を持つことを恥ずかしいと思う子も増えます。
中学、高校生になると精神状態のコントロールをほとんど自分でできるようになります。それに加えて反抗期もはじまります。そのため、安心毛布を持つ人は大きく減少します。家族であっても安心毛布を使っているところを見られたくなくなります。しかし、部屋のどこかにしまっておいて、悲しい時はそれに甘えることもあります。
友人や先輩後輩などと巡り合うことで、交友関係が広がりやすいため、この時期に多くの人が安心毛布を卒業します。
安心毛布はぬいぐるみも対象になる?
いつも身の回りにあるタオルケットや毛布などで安心する子どもが多いため、安心毛布(セキュリティ・ブランケット)と呼ばれています。そのため、安心毛布という名前ですが、その対象物は毛布だけではありません。
ぬいぐるみ以外も対象に
ぬいぐるみはもちろん、ハンカチやガーゼタオル、抱き枕で安心できる、そんな子どももいるでしょう。布地を含まないおもちゃなども安心毛布になることがあります。
多くの子どもは安心毛布に顔を擦り付け、布地に染み付いた自分の匂いをかぐことで安心を得ます。しかし、大事なのは安心毛布を持ち歩くことで安心できるか、不安を回避できるかということであり、それの形状や材質は人により全く違います。
安心毛布の心理学
安心毛布を必要としている人は何を求めてそれを持ち歩くのでしょうか?心理学の目線から考えてみましょう。
『ライナスの毛布』
スヌーピーも登場する有名な漫画「ピーナッツ」のライナスというキャラクターを知っていますか?彼はお気に入りの毛布をいつも持ち歩いており、それを放してしまうとパニックに陥ってしまいます。それが有名な安心毛布で『ライナスの毛布』と呼ばれています。
幼い子どもにはよくあります。断乳や弟、妹の誕生などの環境の変化から身を守るために不変のもの、つまり安心毛布を持ち、匂いをかぎ、安心を得ています。安心毛布は、移行対象や過渡対象とも呼ばれる存在です。
安心毛布とストレス
通常、赤ちゃんが母親から離れる際の不安を和らげてくれる安心毛布は、子どもが成長し他人との関わりを持ち、「母親の代わりが常に身近になくても自分は大丈夫だ」と思えた時に必要とされなくなります。そのため、安心毛布をいつまでも手放せないのは強いストレスを日常的に感じていることが原因とされることもあります。
例えば、子どもにとって家庭は、自分を愛し受け入れてくれる、安心できる場所であるはずです。しかし、両親の不和や過剰なしつけで家にいること自体がストレスになってしまう、そんな場合、子どもは安心毛布から離れることができません。
安心毛布はいつからいつまで?
初回公開日:2018年04月11日
記載されている内容は2018年04月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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