関係の深い仏様とその関係性
密教では、仏様が教えを説く場合に教導すべき対象の性質により現れる姿が異なるとされており、このことを三輪身と言います。この考え方のもと、関係の深い仏様を紹介します。
阿弥陀如来様との関係
阿弥陀如来とは、浄土教において極楽浄土の本尊で、すべての者を極楽浄土へ導くとされています。
京都府平等院などに祀られている阿弥陀如来像は、身につける装飾品は一切なく、白毫があり、螺髪と呼ばれる髪型です。特徴とされるのが手の形で、代表的な印相として指で輪を作る「阿弥陀定印」「来迎印」があります。
一部の言い伝えでは、阿弥陀如来の真の姿は大日如来であり、人々を極楽浄土へと導くために姿を変えたと言われています。
釈迦如来様との関係
釈迦如来とは、仏教の開祖です。本名をゴータマシッダールタといい、修行して悟りを得て如来となりました。
京都の清涼寺などに祀られる釈迦如来像は、白毫に螺髪、装飾品のない布一枚の出家姿であり、右手は恐れを取り除く施無畏印、左手は望む者を与える与願印の形になっているのが主な特徴です。
こちらの釈迦如来も、一部の言い伝えでは大日如来が姿を変えたものであると言われており、宇宙の根源や心理を人々に説くために姿を変えて現れたとされています。
不動明王様との関係
不動明王は五大明王(不動明王・降三世明王・軍荼利明王・大威徳明王・金剛夜叉明王)の中心となる明王で、全国各地で「お不動さん」の名前で親しまれています。
一般的な不動明王像は、忿怒相と言われる怖い顔で、右手に三鈷剣(さんこけん)、左手に羂索(けんじゃく)を持ち、背中に炎を背負った姿が特徴的です。千葉の成田山新勝寺や京都の東寺が有名です。
悪を絶ち仏道に導くことで救済する役目を担っており、普段は柔和な大日如来が優しさだけでは通用しない人々を正しい道へと諭すために、恐ろしい顔をした不動明王へと姿を変えたと言われています。
スピリチュアル的にみる大日如来
まず、「スピリチュアル」とは「魂」や「心」の今であり、目に見えないがすぐそばに存在しているものです。
そもそも、「宗教」と「スピリチュアル」は別のものであり、目的と目的を達成するための方法にそれぞれの特徴があります。現世の苦痛や罪から免れるための「宗教」に対し、自分を知り現世を肯定するためのものが「スピリチュアル」です。
また、死後の世界に学ぶ「宗教」に対し、むしろ前世を重視するのが「スピリチュアル」だと考えられています。
これらを含めたうえで、大日如来の存在や関わりをスピリチュアルの観点からみてみましょう。
大日如来はアセンデッドマスターなの?
アセンデッドマスターとは、もともとは地球に存在していたものの、死後次元上昇し、天界に存在する高潔な魂をもつ人たちのことです。人が人生の分岐点に立った際に方向を示したり、良い方へ導いたりしてくれます。
また、アセンデッドマスターの語源となったascension(アセンション)という言葉の意味は次元上昇です。
アセンデッドマスターには、「神に似た者」という意味を持つミカエルや、人間の身体に4本の腕と象の頭を持つヒンドゥー教の神とされるガネーシャ、日本神話の最高神である天照大御神などが挙げられ、大日如来もこれにあたると考えられています。
大日如来と堕天使ルシファーの共通点
ルシファーはキリスト教の神話において、すべての天使の上に立つ存在とされていました。しかし、神と対立したことで「堕天使」へと堕ち、「堕天使ルシファー」と呼ばれ、悪魔としての扱いを受けるようになっています。
「ルシファー」の意味は、ラテン語で「明けの明星」「光をもたらす者」です。そして、大日如来の大日には「偉大な太陽」という意味があります。光をもたらす者と太陽を司る者として関わりがあったかもしれません。
大日如来について知ろう
大日如来は宇宙そのものであり、すべての生命は大日如来から生まれたとされています。偉大な存在ですが、いつもこの世のすべてを明るく照らし人々を導き続ける、とても身近な存在でもあります。誰の意識の中にも存在しているため、感謝して信じる心をもてばつながることができるのです。
初回公開日:2022年07月16日
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