スルースキルの意味
会社などの人間関係では、上司や同僚の言葉にイラっとしたり、傷ついたりすることがあります。特に、その内容が批判など自分にとっては辛いものだった場合、いつまでもネガティブな感情を引きずってしまい、仕事が手につかないという状況になることもあるでしょう。
そこで必要となってくるのが「スルースキル」です。インターネットが普及し、twitterなどのSNSが当たり前となった現代において、新しいコミュニケーション能力の1つとも言われています。それでは、スルースキルとは具体的にどういう能力かを見ていきましょう。
無視したり受け流す能力
友人関係や会社の人間関係などにおいて、他人のちょっとした発言で心が傷ついてしまうことは誰にでもあります。相手にとっては悪気のない一言でも、過剰に反応してしまってストレスを感じることでしょう。そんな時に身に付けておくと、人間関係がぐっと楽になるのが「スルースキル」です。
スルースキルとは、悪口や批判など不快に感じる発言などに対して、無視したり受け流す能力のことを言います。人は何か困難なことが起こった時、つい真正面から立ち向かってしまいます。
しかし時と場合によっては、感情的に反応せずに無視したり受け流す方がうまくいくことがあります。現代のようなストレス社会では、このスルースキルを持っているだけで、人間関係も楽になってくることでしょう。
的確に判断する能力も大切
スルースキルというと、他人から言われた不快な言葉に対しては、どんな時でも全て無視したり受け流して良いと思いがちです。しかし、言われたその言葉は自分に否があるものだったり、学ぶべきことがあるとしたらどうでしょう。
自分にとって成長するチャンスだったのに、全て気に留めず流してしまうことは、スルースキルではなくただの無視です。今は本当にスルースキルを使うべき時なのか、しっかり見極める必要があります。
困難なことが起きた時には、まず自分の中でふるいにかけてから、必要なものは取り入れて不要なものだけをスルーする。それがスルースキルの本来の意味と言えます。
スルースキルを高める方法
インターネットが普及しSNSが盛んになった今、スルースキルはコミュニケーション能力として身に付けておく必要があります。しかし、どうすればスルースキルを高めることができるのかわからない人も多いでしょう。そこで、スルースキルを高める4つの方法について、それぞれ説明します。
必要な情報のみ見る
スルースキルを高めるためには、ストレスの原因となる不必要な情報に触れないことが一番です。あなたが必要とする情報のみを選択するだけで、ネガティブな感情に振り回されることはなくなります。特にSNSでは、嫌な思いをするくらいなら見るのをやめてみましょう。
しかし、会社などの人間関係ともなると、嫌だからと避けるわけにもいきません。その時には、真正面から受け止めずに聞いているフリをしましょう。聞いているフリというのは、不必要な情報は聞き流すということです。つまり、聞いているフリはスルースキルの1つと言えます。
物事を俯瞰する
スルースキルを高めるには、物事を俯瞰し柔軟に考え対応できるようになる必要があります。ここでいう「俯瞰」とは、広い視野で物事を見ることを指します。つまり、自分視点で物事を見るのではなく、少し離れて第三者の目線から全体を見渡す力を持つことが大切です。
そのためには嫌なできごとに対して、不用意に感情的にならないようにしましょう。あなたに向けられた言葉に怒りや悲しみの感情を抱いた時、すぐにカッとするのではなく心の中で6秒数えてみてください。
実は、怒りのピークは長くて6秒と言われているそうです。そのため最初の6秒を乗り切れば、感情を抑えることができ、物事を俯瞰することができます。
状況を客観的に理解する
物事を俯瞰することができたら、次は今の状況を客観的に理解しましょう。あなたの身に降りかかったできごとの、何に対して怒りや悲しみを感じているのか、冷静に考えてみてください。客観的に理解することができれば、次に同じことがあってもスルーすることができます。
また、普段から自分の弱みを知っておくことも、スルースキルの向上に役立ちます。人に言われて腹が立つのは、自分の弱みや短所を不意に指摘されるからです。前もって自分の弱点を知り、どういう場面で指摘される可能性があるのかまで想定しておくと、いざという時にスルーしやすくなり、ストレス耐性も上がります。
過剰に考えない
スルースキルを高めるためには、過剰に考えすぎないことも大切です。相手から嫌なことを言われた時は、「自分に否があったのではないか」と考えてしまいがちです。そして、相手の言葉の裏側や意図ばかりを考え、どんどん深みにはまりネガティブになってしまいます。
しかし、相手にとっては何気なく言った言葉であることが多く、深い意味などない場合がほとんどです。つまり、あなたが受け取った言葉には、裏側も意図も存在しません。嫌だと感じたのは、言葉のニュアンスの問題なので受け流してしまいましょう。
スルースキルが高い人の特徴
スルースキルを高めようとしても、身近にスルースキルが高い人がいなければイメージがわかない人も多いでしょう。そこで、スルースキルが高い人の特徴を紹介します。具体的にイメージすることができれば、スルースキルもより早く高まるでしょう。
嫌な気持ちを引きずらず、気持ちの切り替えがうまい
スルースキルが高い人は、嫌なことがあってもその気持ちを引きずることがありません。なぜなら、起こってしまったできごとは「過去」であり、いくら考えても結果は変わることがないことを知っているからです。
嫌なことが起きた時には、「なるようになる」とサッと気持ちを切り替えることで、どんな状況にも落ち着いて対応することができます。その結果、ものごとを冷静に判断することができるので、自然とスルースキルも高くなります。
初回公開日:2017年11月02日
記載されている内容は2017年11月02日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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