理想の睡眠サイクルを知る方法には計測アプリなどを使用する以外に、自分で理想とする睡眠サイクルを作成するグラフがあります。
このグラフを作成するのに最適なものがあり、それが「快眠サイクル時計」です。快眠サイクル時計とは、人の体内時計のリズムを調整し、睡眠の質を改善・向上させるためのツールになります。
作成ポイントは、目指したい平均的な平日の生活サイクルを書くことです。さらに具体的にみていくと、ポイントは8つあります。
まず、1つ目は最初に起床時間を決めること、2つ目は朝に日差しを浴びる時刻を決めること、3つ目は朝の日光浴から、16~17時間後に夜の就寝時間を決めること、4つ目は朝食の時間を決めることです。
そして、5つ目は平日に行なうルーティンを書きこむ、6つ目は昼食と夕食の時間を決めること、7つ目は入浴は就寝前までに行なうこと、8つ目は最後に習慣にしていることを書き込むになります。
睡眠サイクルの計算方法
多くの人が睡眠サイクルの1サイクルは、およそ90分と聞いたことがあるでしょう。けれども、最新の眠りの科学によると、この睡眠サイクルは90分とは限らないといわれています。
そこで、睡眠サイクルの計算方法を紹介していきます。また、睡眠サイクルを求める前に、睡眠サイクルを構成するレム睡眠とノンレム睡眠についても詳しくみていきます。
「ノンレム睡眠」
まず、人が夜に眠りに入ると、「ノンレム睡眠」の状態になります。この「ノンレム睡眠」は、簡単にいえば深い睡眠状態ですが、より詳しくいうと「大脳を休息させる」ための睡眠になります。
ノンレム睡眠時には副交感神経が働き、体の力が抜けたリラックスした状態となり、呼吸が深くなります。そのため大脳の働きが静まり、大脳を休息させることができます。
このノンレム睡眠は、特に入眠してから約3時間くらいが最も深くなり、ノンレム睡眠の中で最も重要なときといわれています。
「レム睡眠」
一方、「レム睡眠」は脳が活動しているものの、体が休息している状態になります。脳の中にある情報を処理し、整理していく睡眠とされています。
そのため、呼吸は浅く、急速な眼球運動が起こります。
人が夢を見るときは、このレム睡眠のときとされています。その理由が、脳は日中の情報処理・整理のために活発に働いており、その情報の断片を見ている状態になります。そのため、夢に一貫性が乏しいことや印象深い出来事などが夢として現れやすいです。
睡眠サイクルの計算
上記で解説したレム睡眠とノンレム睡眠を合わせた1サイクルの長さは、90分と考えられてきました。
1サイクル(90分)×4回=6時間というように考え、この倍数の睡眠時間で起きると、快適な目覚めができ、質の高い眠りを得られるとされています。たとえば、7時間半の睡眠では、4~5回ほどの睡眠サイクルを繰り返しています。
けれども、最新の眠りの科学では、この睡眠サイクルは90分とは限らないということが判明しています。さらに、睡眠サイクルには個人差があるだけでなく、同じ人でも季節や日中の活動状況によっても変化することが分かっています。
そして、ノンレム睡眠とレム睡眠のバランスも常に一定ではなく、夜明け近くになると、浅い眠りであるレム睡眠の時間の割合が多くなるともいわれています。
つまり、睡眠サイクルは常に一定でないので、季節や活動状況に合わせて、1サイクルの長さを調節することが大切です。
乱れた睡眠サイクルの改善方法
「時短」という言葉をよく耳にしますが、まさに、時間に追われる現代社会を表す言葉といえます。睡眠時間が短くなる人もいれば、夜勤やシフト勤務によって昼夜逆転になってしまう人もいるでしょう。
そのため、乱れた睡眠サイクルになってしまい、体の不調や寝不足を覚える人が多くいます。そこで、乱れてしまった睡眠サイクルをリセットし、上質の眠りを実現する方法を紹介していきます。
リセット方法
乱れてしまった睡眠サイクルをリセットし、質の高い睡眠を取るための方法をみていきます。
STEP1:起床時刻を決める
睡眠サイクルをリセットすためには、まず起床時間を決めることが必要になります。起床時間は、平均的な平日の起床時間で設定しましょう。
朝食もきちんと取れるように、余裕をもった時刻にすると良いでしょう。
STEP2:朝の陽ざしを浴びる時間を決める
人の体には体内時計があり、不規則な睡眠サイクルによって乱れてしまいます。
その体内時計は朝日によってリセットされ、1日が始まります。この朝日による体内時計の調整が行なわれないと、少しずつ体内時計がズレてしまい夜の就寝時間も遅れてしまいます。
朝日は、起床してから30分以内に浴びるのがベストです。日差しの強さは、部屋に差し込む優しい光でも問題ありません。起床後にカーテンやシャッターを開け、室内に日差しを取り込んだり、窓際で朝食を取るだけでも十分効果があります。
STEP3:朝食の時間を決める
睡眠時間を確保したいと考え、朝食を削ってしまう人は少なくありません。けれども、朝に食事を取ることによって、胃の働きが活発になり自律神経が覚醒していき、体の活動スイッチが入ります。
その朝食には、糖質を中心に温かい食事を取ることで、体内リズムを整えてくれます。けれども、忙しく十分な朝食の時間を取ることができない人は、たとえば、腹持ちも良いバナナを1本食べるだけでも良いでしょう。
また、朝食は起床後1〜2時間以内に取るように心がけましょう。
STEP4:夕食の時間を決める
朝食だけでなく、残業などによって夕食も疎かにされやすいですが、この夕食の有無もまた睡眠サイクルを乱す原因となります。
ただ、夕食を取る時間には少し配慮が必要になってきます。就寝前に夕食を取ってしまうと、胃や腸などの内臓が消化活動をしているため、本来ならば睡眠サイクルの中で最も深い眠りになるはずのときに浅い眠りとなってしまいます。その結果、睡眠サイクルが乱れていってしまいます。
そのため、夜の睡眠前、3時間前までに夕食を取るのが理想です。
初回公開日:2018年03月08日
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