私たちが焦燥感を感じる原因は?
私達は日々の暮らしの中で、さまざまな感情を経験します。中には経験したくない辛い感情、マイナスな感情もあります。今回はその中のひとつである、「焦燥感」について特集していきます。ではまず、私たちが焦燥感を感じてしまう原因は何なのでしょうか。
心と身体の不調からくる場合
心と身体は密接に関係しあっています。身体が疲れた時に、心も疲れを感じてしまうことは、よくあることです。身体にとって必要な栄養が足りていなければ、エネルギーが欠乏し、不安感や焦燥感を感じやすくなってしまいます。
また、心の持ちようから焦燥感を感じやすくなってしまうこともあります。自分と他の誰かを比べてしまってはいけません。自分は自分、他人は他人、という割り切りが必要です。
更年期に感じる「焦燥感」
女性が「焦燥感」を感じやすい時期の一つに「更年期」があります。更年期にはホルモンバランスの乱れからくる、身体の不調に悩まされる人も多いでしょう。更年期に入ると、女性ホルモンであるエストロゲンの減少から、焦燥感を強く感じてしまう女性も多いです。
外見的にも身体はどんどん年齢を重ねていき、加齢によるシミや皺などの外見的な老化も、女性ホルモンの減少によって加速していきます。さまざまな不定愁訴が襲ってくる更年期に、強い不安感や焦燥感を感じてしまう女性も多いでしょう。
アルコールと「焦燥感」の関係
アルコールには、知ってのとおり習慣性があります。飲んでいる時には、いろんな感情が麻痺したり、辛いこと悲しいことも忘れることができますし、少量だとリラックス効果もあります。
しかし、飲みすぎると心にも身体にも悪影響を与えてしまいます。アルコールを摂取しすぎると、血液中に一定のアルコール濃度がないと、さまざまな焦燥感や不安感などの禁断症状に手を変え品を変え次々に襲われるようになってしまいます。
一時の間、焦燥感や不安感などのマイナス感情を忘れるためにアルコールに溺れた結果、より激しい焦燥感を味わってしまうことのないよう、アルコールの摂取はほと゛ほどにしましょう。適量であればアルコールは健康に対する良い作用が認められているのも周知のとおりです。毎日適量飲酒する人は、全く飲まない人や時々飲む人に比べて、心筋梗塞などの冠動脈疾患による死亡率が低い傾向にあります。
カフェインで「焦燥感」は増す?
コーヒーや紅茶、緑茶や、エナジードリンク・コーラやココアなどに含まれるカフェインも、習慣性があることが近年、明らかになっています。これらのものを、あまりに毎日のように大量に飲み過ぎると、胃痛などの身体的症状だけでなく、心拍数が増えて不安や焦燥感に襲われるといった精神的症状を引き起こします。
カフェインの効能としては、眠気覚ましなどの興奮作用や尿の排出を促す利尿作用などが知られていますが、このほかにも自律神経の働きを高めるため、リラックス作用や満足感や集中力を高めたり、運動能力を向上させるなどさまざまな効果があります。
特に、自律神経の働きを強めるということは、身体全般の不調にも効果を発揮できるということですから、適量であれば、カフェインは心の健康にも身体によいということが言えます。しかし、摂りすぎると焦燥感の原因にもなりますので、摂りすぎには注意が必要です。
チョコレートやココアは?
ココアやチョコレートの原料となるカカオには、カフェインの一種である、テオブロミンという成分が含まれています。このテオブロミンにはリラックス効果やストレス軽減の効果もありますが、中枢刺激作用があるため、子供や妊娠中の人は摂りすぎには注意しましょう。
チョコレートを食べると集中力が増す、毎日チョコレートを食べている人は幸福感を感じる割合が多い、などの研究結果が報告されています。しかし、その一方で、甘いものの過剰摂取が、ある種の炎症の原因となることも知られています。
カフェインには習慣性もありますので、適量を摂るよう気を付けましょう。
過食に走ってしまう時
「焦燥感」と「過食」は意外に関係が深いことは、ご存知の方も多いでしょう。焦燥感や不安感が強くなると、それを紛らわすためについ過食に走ってしまい、摂食障害に陥ったりすることもあります。マイナスの感情のはけ口を過食に求めてしまうのは危険ですからやめましょう。
また、過食に関しては、炭水化物や甘いものばかり食べて偏食がちになってしまうと、身体が必要な栄養素とエネルギーを摂取するため際限なく食べ物を欲してしまうという悪循環になります。
ですから、焦燥感や不安感などを感じて過食を止められないという場合は、食生活を見直し必要な栄養をまずは、しっかり摂ることから始めると良いでしょう。野菜だけ食べ続けるなどの無理な食生活は、逆に過食に繋がりますから止めましょう。バランスよい食習慣を心がけ、必要な栄養をしっかりと摂ることで、焦燥感もコントロールしていきましょう。
焦燥感を感じるときの対策は?
それでは、「焦燥感」を感じた時の対策について考えていきましょう。
他人と自分を比べるのを止める
焦燥感をつい感じてしまう時には、他人と自分を無意識のうちに比べてしまっていることがあります。私たち人間は一人ずつ違うのですから、自分と他人を比べるのを止めましょう。
生活習慣
焦燥感を感じて辛くなってしまった時には、今までの生活習慣を少しだけ見直してみるのも良いでしょう。
早寝早起き
まずメラトニンは脳から分泌されるホルモンの一種ですが、日中は光刺激により分泌が抑制され、夜間になると分泌されます。メラトニンには、睡眠促進作用があります。従って、メラトニンの分泌される時間帯に眠りにつくことが、焦燥感が増した時などの精神の安定には有効でしょう。
そして、体にある物質をエネルギーとして使える物質に変えていく働きをするホルモンである「成長ホルモン」があります。「成長ホルモン」は年齢にかかわらず、人間が生きていくのに必要な働きをし、日が暮れて暗くなったころに静かに横になることで活発になることが知られています。
しかし、成長ホルモンの分泌が制限されてしまうと、身体症状だけでなく、疲れやすくなる、集中力が低下がする、不安や孤独感・焦燥感などの不定愁訴に悩まされていきます。
朝日とともに目覚め、暗くなったら眠りにつくという生活は、焦燥感や不安感を取り除くために、有効な方法だといえます。
食生活の見直し
続きを読む初回公開日:2018年03月16日
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