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感性を磨く方法は?感性を活かす仕事や向いている職業

カテゴリ:自己啓発

更新日:2024年09月04日

美味しいという感情は、味覚・視覚だけではなく聴覚も使います。肉が鉄板の上で焼ける音、コップにビールが注がれる音に思わずゴクリと唾を飲む人も多いでしょう。音を使って表現するものは、その音を鳴らしている物ではなく、その音が鳴った時に感じる心の動きなのです。なのでビールのCMでは缶を「プシュッ」と開けてコップに「トプトプトプッ」と注ぎ、「シュワ~っ」と泡をたてて、俳優が「ゴクゴク」と飲むことによって、視聴者の「飲みたい」という気持ちを煽ります。

それは音楽でも一緒で、クラシック音楽には「風の音」や「乙女の泣き声」などを表現した音があります。ベートーベンの「運命」のあの印象的な音は「運命が扉を叩いている音」です。もちろん、運命が扉を叩く音なんて誰も聞いた事なんてありません。ましてやベートーベンは聴覚障害者です。けれど、あの「ジャジャジャーン」という音を聞くと、多くの人がドキドキするような、ちょっと怖いような、これから起こるだろう「何か」を感じます。その心の動きこそが、ベートーベンが伝えたかった「何か」なのです。

嗅覚

匂いにも、他の感情を思い起こさせる力があります。

好きな食べ物の匂いを嗅げば「お腹すいたなぁ」「食べたいなぁ」と思うものですし、臭いにおいを嗅いだら「不愉快」「危険」と反応します。花の匂いや空気の匂いに懐かしい思い出を呼び起こす人も多いでしょう。それを利用して「リラックスする」「元気が出る」効果を出すのがアロマやお香にあたります。アロマテラピーなどを活用している女性も多いのではないのでしょうか。

日本にも古来から「香道」というものがあります。和歌や古典文学をテーマとしたお香を作り、それをみんなで嗅ぎ合うというなんとも風流なものです。香道では「嗅ぐ」という表現は無粋とされ「香りを聞く」と表現します。まるで音楽のように匂いを楽しんでいるのです。

味覚

味覚で感じる時も、その素材の味だけではないものを感じる事はありませんか。例えば「しっかりした味」「やさしい味」「お母さんの味」「男の料理」と言われるような、あの感じです。そう表現する人によって定義は様々でしょうし、肯定的に使う場合や誤魔化して使う場合に使うかによって違うでしょう。けれどなんとなく「こういう味かな?」という共通認識はあります。「しっかりした味」は昆布や魚などのダシが効いている、「やさしい味」は、卵でフワフワしていたり、ほんのり甘かったり、なんだか体に良さそう、などです。

肯定的に使われる場合、素材の味だけでなくこういうプラスアルファを感じると、料理を作った人の想いも感じられる気がしてくるでしょう。「料理は愛情」と言われるのは、こういった理由からなのです。

触覚

「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」と来て、最後は「触覚」です。触って解るものは、硬い・柔らかいの他に、ザラザラ・ツルツルなどの質感、しっとりしている、カラッとしているなどの湿度。重い軽いなどの重量や熱い冷たいなどの温度も含まれていて、多岐に渡ります。視覚から感性に訴える表現なら「絵や写真」、聴覚なら「音楽」、嗅覚なら「お香」、味覚は「料理」などの表現方法はありますが、触覚に訴える表現方法の分類はなかなか難しいと言えます。

それでも、まったく無いわけではありません。たとえば本物そっくりのぬいぐるみを作る職人は本物そっくりの毛並みを追求するでしょう。それで動物好きの人はぬいぐるみを撫でたり抱きしめることで、実際の動物をそうするような疑似体験ができます。またミヒャエル・エンデ作の「はてしない物語」では、本の表紙の装丁にこだわっています。作中に出てくる本を再現していて、主人公が本を手にとった感触がそのまま読者にも伝わります。それがあたかも物語の中にでてくる本がこれなのだという演出となっているのです。

感性を活かす仕事・感性豊かな人に向いてる職業

アーティスト

まず感性を活かす職業として思い浮かべるものは「アーティスト(芸術家)」でしょう。心を揺さぶられたものを得意な分野で表現し、また別の人の心を揺さぶるアーティストは感性が豊かでないとできない職業です。しかし感性が豊かなだけではアーティストとしてやっていけません。感じるだけではなくそれを表現するには「高いセンス」も必要なのです。

自分が作ったものを他人に買ってもらうわけですから、芸術的なセンスの他に商売的なセンスも必要でしょう。なので芸術家はお金持ちの人にスポンサーになってもらったり、組合的なものに入って売買のサポートをしてもらっています。現在の日本にはそういった芸術家に対する支援が少ないと言われていますが、江戸時代や戦国時代では大商人がお抱えの芸術家を雇ってお店の宣伝に使っていました。武士も美術品がそのまま部下への恩賞として機能していたのです。

クリエイター

クリエイターはアーティストとよく混合されますが、実は全く違う職業です。アーティストはまず作品を作って、それを売り込んでいくスタイルですが、クリエイターは「これを作ってくれ」と依頼されて作品をつくります。この違いが分かっていないと、アーティスト系の人に色々注文を出して失敗してしまったり、クリエイターなのにアーティスト気取りで反感を買ったりと、トラブルが発生してしまうのでしょう。

アーティストは自分の感性を表現しますが、クリエイターは依頼主の感性を、依頼主に代わって表現します。なのでより繊細に他人の気持ちが解る人に向いていると言えるでしょう。デザイナーやイラストレーターがそれに当たります。商業小説家や商業漫画家も「出版社の利益になるように売れる本を書く」ので、クリエイターと言えます。歌手や音楽家もプロとしてやっていくにはそう言った面が多々あります。芸術関連を職業にすると好きなものを好きなように作れなくなるので、趣味にとどめておいた方がよいと言われるのは、そういった部分なのです。

マーケティング

マーケティングというのは、その商品をより多くの人に「よい」と思ってもらえるようにアピールする仕事です。アーティストやクリエイターが作り出したものを売り出す事が、マーケターと仕事となります。

クリエイターは依頼主が「いいね!」と思うものを作りますが、マーケターはクリエイターよりも更に多くの不特定多数の人に「いいね!」と思ってもらわなくてはいけません。マーケターも「会社の売り上げを伸ばすために商品を売る」事が仕事なのですが、まず多くの人に買ってもらうにはどういった人をターゲットにすればいいのかを考えます。そこからどんなクリエイターに発注すべきなのか、出来たものはどういった風に宣伝するのか、どんな方法で買ってもらうのかまで考える事がマーケティングです。

俳優

映画やドラマ・舞台などで役を演じる俳優も、また感性が重要なアースティックでクリエイティブな職業と言えます。脚本に描かれた世界観に没頭し、役になりきって、お芝居の中の登場人物が、自分の人生を生きている人物に見える。そんな役者が名優と言われます。

観客や視聴者に感情移入させ、一緒に泣いたり笑ったりと共感させる力は、まず自分がどんな所で泣いたり笑ったりするのかを知らなければなりません。なので俳優たちは豊かな感性を、自分なりに分析しているようなアーティスティックな部分があります。そして、自分の人生と全くちがう人生を演じたり、自分と正反対の役を演じても「この役はこういう人なのだ」と説得力を持たせるのは、他者の感性に訴えかけるクリエイティブな部分でしょう。

接客業

豊かな感性を「他者とのコミュニケーション」に使っている人は、接客業に向いています。表情の一つ一つからその人の心情が察せられるのできめ細かなサービスをして喜ばれるのです。対人コミュニケーションの感性が豊かな人はホテルのコンシェルジュやレストランのホールスタッフ。テーマーパークのスタッフなど、よりお客様との距離が近いサービス業に従事すると、お客様の「困ったな」にいち早く気づいて対処する事ができるのです。

よくSNSで「従業員がこんな事までしてくれた!」というほっこりとしたエピソードを聞くのは、感性が豊かなスタッフが対応の賜物なのです。より人に近いところで接客し世話を焼く、という意味では美容師やメイクアップアーティスト、芸能人のマネージャーや社長秘書などにも向いてます。

感性を磨く・鍛える方法

初回公開日:2017年09月03日

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