感情論で話す人は、自分の感情は大切にしますが、人の感情には目を向けないことが多々あります。相手の事情や考えを聞こうとせずに決めつける傾向があるため、自分がどう感じたか、自分がどうしたいかといった自分の感情だけを一方的に主張し、しばしばトラブルの原因となります。
トラブルが起こるとさらに感情的になり、自分の意見だけを押し通そうとする傾向があります。
特徴7「自分が何を言っているかわからない」
感情論で話をする人は、話のゴールが「自分を認めてもらうこと」であるため、自分自身も何を言っているのか分からなくなることがあります。
議論をしていても議題の道筋からどんどん離れていくため、話している人自身もなぜ自分がその話をしているのか、何が目的で話しているのか分からなくなるときがあります。しかし、同時に感情も高ぶっているため、途中で話を止めて冷静になることも難しくなります。
感情論を直すための本
感情に振り回されるのを防ぐための感情コントロール技術を説明した『「器が小さい人」をやめる50の行動』という本をご紹介します。
この本は医師の立場から、脳科学的な知見も踏まえ、感情コントロールについて分かりやすく書かれています。周りに感情論の人がいて困っている人も、自分自身が感情論になりがちで悩んでいる人も、何かしらのヒントを得られる1冊です。
感情論への対応の仕方
感情論で話しても、議論の解決は難しくなります。では、感情論の人と話し合いになった際、何に気を付ければ良いのでしょうか。
感情論の人が相手であっても、ポイントを押さえることで議論が不毛になることを防ぐことができます。以下に対応の仕方について3つご紹介します。
対応1「あくまで冷静に」
感情論で話をする相手に対する接し方として、まずは「冷静になる」ことが非常に重要です。感情論で話す人に対して同じように感情的に接すると、互いに燃え上がり収拾がつかなくなります。
そのため、相手が感情論で話して来たら、まずは冷静になって、理性的に接することが肝心です。客観的かつ公平に判断し、相手の言い分に正しい部分があれば認め、正しくないと思う部分には論理的に意見を述べるようにすることが大切です。
対応2「相手の趣旨を探る」
相手が本当に言いたいことが何かを理解すると、議論がスムーズに進みます。感情論で話す人は自分が自分自身の感情に振り回されてしまうため、自分がなぜ怒っているのか、何に引っかかったのかが分かっていない場合が多々あります。
そのため、相手の言ったことだけに注目しても解決しない場合がほとんどです。相手の趣旨を見極め、理解しようとする姿勢を見せることで、相手も落ち着きやすくなります。
対応3「感情論で返さない」
感情論への対処法として、感情論で話している相手と同じように感情論で返さないことは鉄則です。
感情論で話す人は自分の感情を受け入れてもらうことで満足を得ます。しかし、その感情をぶつけた相手が同じように感情論で向かってくると、「受け入れてもらう」という目的が達成されず、さらに感情を爆発させてしまいます。相手の感情にのまれず、落ち着いて対応することが重要です。
対応4「相手を追い詰めない」
感情論で話す相手を追い詰めると、かえって逆効果になることがあります。
感情論で話す理由として、「自分を理解してほしい」「認めてほしい」という承認欲求を満たすためにおこなっている場合が多くあります。そのような気持ちを持つ相手に対して、間違いを指摘し、論破して追い詰めると、かえって相手を逆上させることに繋がります。
まずは相手の話を聞き、相手を「尊重しようとする姿勢」を見せることが重要です。
感情論に陥らない方法
感情論に陥ると議論が進まないばかりか、周りからも「あの人はめんどくさい人だ」とみなされ、仕事に支障をきたすことにも繋がります。人と話すときには感情的になりすぎないことが非常に重要です。
そこで、感情論に陥らない方法を3つご紹介します。
方法「客観的な見方をする」
感情論に陥らないためには、「客観性」が何よりも重要です。自分の意見の根拠が「直観」「自分の体験談」「イメージ」などであった場合、議論は感情論になりがちです。意見を述べる際には第三者の目線を意識することが重要です。
議論をする際には、自分の主張する内容が自分の感情から来ているものなのか、それとも客観的に考えた上での意見なのかを判断してから発言することが大切です。
方法「箇条書きに整理して話す」
紙に書き出して整理してから話すというのは、客観的に話すために非常に有用な方法です。人は頭の中だけで考えると混乱したり、論理が破綻したりすることが多々あります。
そこで、頭に浮かんだことを紙に書き出し目に見える形にすると、考えがまとまりやすくなります。自分の主張の根拠は何か、それによって得られる利益は何かを論理的に筋道を立てて整理すると、客観的かつ相手にも伝わりやすい話ができるようになります。
方法「事実や数値に目を向ける」
客観的な考え方をする方法として、事実や数値に目を向けるという方法があります。イメージや感覚に着目すると感情論に陥りやすくなりますが、「誰が何をした」といった行動的事実や、データや研究で使われている「数字」は、客観的な指標となります。
いつどこでどのようなことがあり、どのような数値データがあるかに着目して論理を組み立てることで、感情論に陥るのを防ぐことができます。
初回公開日:2017年05月30日
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